ごぼうの栄養・豆知識

2017年9月2日

ごぼう

ごぼうは、栄養的には食物繊維以外特筆すべきものがないために、比較的注目されない野菜でしたが、食物繊維が防ガンにいいとわかってから、見直されるようになりました。

江戸時代の儒学者である貝原益軒は『養生訓』の著者ですが、その中で、精根の尽きたときは「コン」のつくものを食べるようにすすめています。コンのついた野菜とは根菜のことで、ごぼうもまた精力をつける野菜として記されています。

食物繊維は、腸内の有用な細菌がよく繁殖するように働いて整腸作用を助け、便秘を解消します。このことによって、発ガン物質を一緒に排出する働きが分かったのはつい最近のことですから、何百年も前の貝原益軒の記述には頭が下がります。

さて、ごぼうはできれば土のついたものを運び、たわしで洗うか、表面を包丁でこそげ落としただけで調理します。ごぼうの旨みは皮にありますから、洗ったごぼうや切ったごぼうは避けた方が望ましいのです。強いアクは、切ったら酢水につけて変色を防いでから調理するとおいしく食べられます。

ごぼうの種類

滝野川ごぼう

最も多く出回る品種。直径2.5cm程度で、太さが均一なものが良品。

堀川ごほう

京野菜の一種。香りが高く、肉質はやわらかい。主に煮物に使用する。長さ60cm、直径6~9cm程度まで、育てる。

新ごぼう

初夏に出回る早生品種。通常のごぼうより、細くて、短い。皮が薄く、肉質がやわらかで香りも高いのが特徴。

葉ごぼう

未熟なごぼうの根と葉を食用とし、短い根と、長い茎、大きな葉が特徴。葉もごぼう特有の香りと味わいが楽しめる。

ごぼうの栄養

食物繊維のセル口スやリグ二ンが豊富。コレステロールの吸収を抑制し、動脈硬化を予防するほか、便通の改善に働く。また、性ホルモンの分泌を助けるアルギ二ンが含まれ、強壮効果もある。炭水化物の一種であるイヌリンは、利尿作用を促したり、血糖値の上昇を抑える働きもある。アクは、ポリフェノールの一種。

ごぼうの調理方法

旨昧成分のグルタミン酸は、皮に近い部分に多く含まれているので、皮はむかずに、たわしでこするか、包丁の背でこそぎ落とす程度でよい。特に、新ごぼうは香りがよいのが持ち味なので、水にさらしすぎないようにする。独特の香りは、クセのある材料の旨味を引き出すのに役立つ。すりこぎで叩いて味をしみやすくし、和え物や煮物に。